結界師への転生

コミカライズで続きが気になる作品の一つ。神達に拾われた男みたいなゆるい雰囲気かと思いきや、転生して奴隷になった主人公の主人や師匠、国王までがクーデターで囚われ処刑寸前、絶体絶命の急展開。実は戦争やバトル展開の作品だったのかと驚きで次回更新が待ちきれず原作を読んでみた。
続きにまず驚いた。絶体絶命、って本当に全員死んでいる…。おまけにヒロイン枠と思われたエリルも雑に死亡。守らねばならないとか言った端から死んだ。この後何かしらのチートで生き返るのかと思ったけどそんなこともなく。ブチ切れた主人公によってあっさりと敵を殲滅し、たくさん殺したことによる経験値で大魔王とやらになるほどのレベルアップ。この展開のために全員死なせた模様。
予想を上回る展開というのは悪くないとは思うけど、読みたかったのはこういうのじゃない…。この後、バチバチのバトルものになるのかと思いきや、大魔王の称号はアッサリと消して、チート級のスペックの高さでなろうにありがちな魔物を圧倒して仲間にしたり奴隷買ったり爵位をもらって皇女を嫁にし領地経営をする、どこかで100回見たストーリーに。そして、結界が万能過ぎてちっとも大変さが感じられない。誰でも術者の許可なく使用出来ちゃう転移魔法陣で毎晩領地から帝都の自宅に帰る、邪心のある者には使えない結界が張れる魔石とかやりたい放題。苦労したと言いながら次の段落では解決している。その様子はMPをいくら使っただのという表現だけで出来ないことはほぼない。流行りに乗るためにテコ入れしたのかもしれないけど一章とのギャップに違和感しかない。側室という扱いでありがちな有能な奴隷も娶りながら、別の女が出てくると正妻の皇女にお前だけだとイチャついてオトす展開が何度かあり矛盾していないかと思ったり。書籍版のあらすじ読むともっと嫁が増えるみたいだし。それと野郎ども女たちとか表現に品がない。漫画版のショタ容姿のイメージが抜けきっていないのも一因だろうけど、口が悪いのは確か。
誤字は修正しているからかあまりないけど、文章が今まで読んだ中では一番稚拙かもしれない。伏線が全くといって良いほど何もないことに驚く。何か起きても次の話しで解決する。カタルシスが全くない。書籍版は5巻打ち切りのようだけど、よく出せたなあ。1巻出た時点でもとっくに手垢がつきまくったストーリーで、どこに目をつけたのやら。
長さだけはかなりのものでいつもは最新話まで読んでから次の作品に手を出しているけど、辛くなってきたので87/455の三章でいったん吐き出したくなった。まだ1/5なのか…。
どうして裏切られた気分になるかという主因に、コミカライズが掲載されているcomicブーストのアイコンがヒロインのエリルになっているのが大きい。他の作品もヒロインと呼べないようなレベルの出番しかないキャラでもとにかく女をアイコンにしているからとにかく女で釣ろうという方針のせいなんだろうけど、その初期ヒロインが死んでしまうのはなあ…。その後も色々な出会いと別れを繰り返すのかと思いきや、あっさりと嫁登場。なんだかなあ。コミカライズの作画は良いんだけど…。