異世界転移、地雷付き。

コミカライズの連載予告で気になったので読んでみたら連載開始する前に読み終わってしまった。
まず思うのは、タイトル詐欺だなあ。クラス丸ごと転移して、自称邪神に生前の行動によって与えられたポイントに応じてスキルを取得出来ることに。チートは無いと邪神は言うけど、クラスメイトの求めに応じて経験値○倍とかスキル強奪とかも取れるようになったが、実はそれらはとんでもないデメリット付きの地雷スキル…というのがウリなのに、ヘルプというスキルを取ることでデメリットを見ることが出来て主人公たちは無事回避してしまう。地雷スキルを取ったクラスメイトたちはデメリットによって転移直後の武器も防具も身分証も金もなく弱い状況から生き残れず序盤で脱落。作中時間で一年経過した今、敵になりそうなのは、宗教を立ち上げ聖女になり無理に金を巻き上げ街を混乱に陥れて主人公たちに捕獲されるも逃げ出したサトミーくらい。こいつ自体は強くなさそうだけど、魅了スキルとかで強い兵士や冒険者を操ることでけしかけることが出来そうではあるけど、バトルする展開でもないし、主人公たちは誰も来ないダンジョンに籠っているので人に遭遇しそうにない。
ある程度書き溜めてから始めたのだろうけど、去年の正月から連載を始めてから更新ペースが速い。他の作品も書いていてこの速度はかなり筆が早い。ただ、文量の割には展開が遅い。ヤマ場がないので盛り上がりにかける。ゆるいスローライフ系ならいいかなと思うけど、違うものを想像して読み始めたので肩透かしくらった。地雷スキルも組み合わせ次第では効果を発揮するんじゃないかと伏線みたいなのもあったけど、後で出てきた邪神によってそれは誰もが使っていないと否定される。男爵の結婚パーティーに出席したときにどこぞの貴族に目をつけられるもそれが今後絡んでくるには相当時間がかかりそう。そこへ行くときに襲撃され苦戦するエピソードも今後活かされるのか怪しい。
既に2巻まで書籍化してナツキとユキを迎えに行くところ辺りまで掲載されているようだけど、この先がなあ。地に足をつけすぎて安全マージン取り過ぎで面白みに欠ける。活動報告見た感じだと、編集が外れなのか推されてないだけなのか色々と芳しくなさそうだし…。そのくせコミカライズはするんだなあ。作画がなかなか良さそうだったから読んでみただけにこの辺どうなっているのかな?
優秀な成績の5人がいることで、料理やら魔法やら錬金術やらで色んな発明とかするのは一人で何でも作れちゃいましたってチートよりは抵抗感がないかな。作者の思想を5人の口を通して語らせるのはあまり好きじゃないけど。慣用句の使い方とか後書きとか読むとかなり頭良さそうな感じはするけど反面、頑固そうな面も透けて見えてしまい何だかなーと思ったり。