踊る大捜査線THE MOVIE3
観てきた。事前情報として
- 過去の犯人総出演で『奴ら』を解放しろという要求が出される
- 和久の甥っ子役で伊藤淳史
- ホントは小栗旬だったけど、役を差し替えにという噂
- 内田有紀
- 青島係長に出世
- 事務所の関係という事情でという噂で水野美紀が出てこない
だけ知っていたけれど、総出演ってなんだよと。劇中で何年経っているのか知らないけど、これだけの間全員が服役し続けているのっておかしくない?というつっ込みが先に立っていた。
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で、冒頭の引越し作戦は踊る流の展開パターンで「これこれ!」と思いながら観ていたけれど、それ以降はほぼ滑りっぱなし。和久が亡くなったという設定だったのは少し驚いたけれど、今後も考えるといつまでもってわけにもいかないし、それなりにスムーズに受け入れることはできたけれど、キャラクターたちの使えなさと言ったらありゃしない。
ずっとパソコンいじっている奴は新湾岸署のセキュリティ設計をした業者が「外からじゃ破れない!」と言っているときに意味ありげに目線を送っていたので、実はブラッディマンデーのファルコンばりに自分仕様にセキュリティをいじって開門、となるのかと思ったら基本的にウェブサーフィンと書き込みという初歩的なことしかできない。中国からの研修生?も微妙…内田有紀は若いなーとだけ思っていた。小栗も大してパソコン操作に長けているわけでもないのに、ご丁寧に「開けるな危険」と書かれたファイルを順にクリックするバカ。事前に二番目の被害者の部屋から爆弾が見つかっているのに気をつけることもしない。爆薬が少量だったのは完全に運じゃないか。すばやく現場に復帰したものの、犯人を解放後全員射殺という強引な提案を。ふつうにまた逮捕でよくない?必要性が見出せずただブチ切れただけのように見えた。
真下も「僕がみんなを」なんて言っておきながらやった事と言えば「目には目を歯には歯を」と小泉孝太郎に伝えただけ。セキュリティを破るのに犯罪者を使おう!って発想が残念。これまた過去に出てきた犯人なのかもしれないけど、誰だか分からず。しかも結局の解決策は「電源を切れば」ってそれでいいのかよ!という残念さ。観客も一瞬思ったけど、すぐかき消した考えじゃないかな。バックアップの電源も入るけど、それも切ったとか少しフォローがあれば、まだよかったのに。
室井も始終「所轄を信じたい」と連呼するだけで具体的な指示を出さない無能さ。
犯人も犯人でケイイチはネットに日記を残しておくことに意味があったのか。ウェブカメラやゲームでは海外プロキシ経由で接続していたくせに、隣のパソコンは閲覧用とはいえそのままでそこから足が付く展開。というかソーシャルワーカー23歳って言ってなかったっけ?で、5年前から黒幕である小泉今日子と接触していたってことは18歳?
年齢はおいておくとしても、あのキョンキョンってきれいか?かわいいか?気持ち悪いだけでなにも魅力的じゃないというか犯人役としては嫌いなほうなので、ここでも展開に萎えていった。確かにほかの推理ものや刑事ものでもインパクトがあったり、ひんぱんに登場する名犯人ともいえる敵役がいたりするので、踊るシリーズではキョンキョンが一番ということになったのかもしれないけど、目的が湾岸署で死にたいって…。タイムリミットが24時なのは明らかで、あと5分というときにのんきに建物の中で会話しているし。あの時点で手下の3人を確保しているのだから、有無を言わさず連れ帰ってもいいような。そもそもなんで医療刑務所から移送する時点で携帯渡しているの?さらに署の外から小栗が呼びかけているけれど、別に鍵かかってなくない?なのにそのまま行かせて上階の爆弾の目の前でさらに諭す余裕っぷり。急いで出てくるのかと思ったら、爆発後に火の中から抱えて出てくる残念なシーン。あそこが異様に山本高広に見えた。それと爆弾が仕掛けられているんだから署の敷地ぐらいから遠ざける程度じゃなくて、もっと100m単位で規制線を張るべき。爆発に気を使う様子はなかったので、小規模なもので終わるのかと思ったら、分かりやすいCGでガラス片が飛び散る演出。超危ない。普通なら野次馬が大勢巻き込まれて負傷したと思うんだけど、犯人逮捕されてよかった、引越しが無事済んでよかったなんてレベルじゃない。
青島の健康問題もホントに必要だったの?スミレとの距離を縮めるために用意したのかもしれないけど、最終的にスミレとの関係も変わらないままって…。キョンキョンと事件があったのは11年前と言っているし、新湾岸署の移転の看板が平成22年3月となっていたのでリアルな年月が経っているってこと=15年ぐらいあの関係のままなの?アラフォーであれはないでしょ。幼稚すぎて萎える。
こういうシリーズものって世間では駄作と言われようとも、個人的には事件はただの添え物でキャラクターがいろいろ動いているだけで楽しめるんだけど、今作はみじんも楽しめず、ひたすら萎えた。どこか好きな部分を見つけようとしたのだけど、見つからず…。
まあ犯人9人が全員服役している展開じゃなくてよかったかなってぐらいかな。岡村一人ぐらいなら、一度出所してまた再犯で、という設定でもOKだったし。だけど、まだネカフェで被疑者を確保する前の段階でレインボーブリッジが混んでいて期限に間に合わないから帰るってダメじゃない?真の目的はキョンキョンってことが分かっていたからよかったのかな。
褒めたいのに褒めるところがない作品ってそうはないという意味ではスゴい作品だった。テレビで放送したら録画するけど、あくまで踊るシリーズの一つだからであって焼くだけ焼いて観ることはまずない駄作。
キョンキョンを崇めて白い服装で新湾岸署に集まって熱心に携帯を向ける若者たちも『守ってくれない』で出てきた監督の考える一般大衆像みたいなのが見てとれて気持ち悪かった。